人工関節の種類
- WATARI

- 2021年4月2日
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人工関節の種類を紹介します。
人工股関節

股関節は、大腿骨(だいたいこつ)の上端にある骨頭(こっとう)と、骨盤側の寛骨臼(かんこつきゅう)の2つの骨からなり、寛骨臼が骨頭の受け皿となっている球関節として知られています。正常な股関節の場合、骨頭は寛骨臼に約4/5ほど包まれ、関節の安定性を保っているといわれています。
また股関節は、日常生活の歩行でも体重の約4倍の負荷がかかるため、周りの筋肉や腱などが全体を覆って関節を支えています。
股関節の人工関節は、股関節を受け止めるソケット、大腿骨頭のような球型のボール、それらを支えるステムで構成され、ソケットの内部にあるライナーは軟骨の役割を担っています。
人工膝関節

膝関節は、大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)、大腿骨の前面にある膝蓋骨(しつがいこつ)の3つの骨からなり、表面は弾性がありクッションの役割をもつ軟骨で覆われています。膝関節は人間の関節で最も大きく、体重を支える重要な関節とされますが、不安定な関節で適合性の低い関節として知られています。
そのため、骨と骨を結合している靱帯で安定性を保ち、半月板によって適合性を向上させていると考えられています。
膝関節の人工関節は、大腿骨コンポーネント、脛骨コンポーネント、膝蓋骨コンポーネントの3つからできています。大腿骨部、脛骨部の本体は金属製、脛骨部と膝蓋骨部の一部はポリエチレン製であることが多いとされています。
人工肩関節

肩関節は、主に上腕骨(じょうわんこつ)、肩甲骨(けんこうこつ)、鎖骨(さこつ)からなり、上腕骨の上端にある球状の骨頭が肩甲骨の関節窩(かんせつか)に入り込む形になっています。また腱板という筋肉で周囲から関節を支えることにより、関節の動きをサポートし、安定性も保たれていると考えられています。
肩関節の人工関節は、関節に自然な動きをもたせるため、上腕骨側と関節窩側の2つの部分に分けられています。上腕骨部は金属製、関節窩部はプラスチック製であることが多いとされています。
人工肘関節

肘関節は、二の腕部にある上腕骨と、肘から手の平までの橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)からなり、その周囲を筋肉や腱が支えています。肘関節は安定性が高く、腕の曲げ伸ばしや回旋など、動きの自由度が高いことで知られています。
肘関節の人工関節は、関節に自然な動きをもたせるため、上腕骨部と尺骨部の2つから構成され、主に表面置換型と蝶番型の2種類があります。
表面置換型は、上腕骨側と尺骨側の部分が分かれているもの、蝶番型は、上腕骨側と尺骨側の部分が蝶番で結合されているものを指します。
以上、人工関節の種類でした。
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